突然の父の死! 
気になるあなたの遺産相続額は?


親族の死・・・
悲しいことですがそれは突然訪れます。
悲しみにくれる中不謹慎かもしれませんが、気になるのはやっぱり遺産の相続でしょうか?

このコラムでは、ある家族をモデルにした遺産の相続をできるだけ分かりやすくお話しています。

登場人物の一人をあなたに置き換えてお読み下さい。・・・・・

父の財産は?

今回死亡した父・太郎には次のような財産がありました。
一、 不動産(妻と居住中)
土地 2,000万円
建物 1,000万円
二、 負債  3,000万円
三、 預金  4,500万円

それでは、各家族の遺産相続額はどれくらいになるのか計算してみましょう。



法定相続

現行の相続法では、特に遺言がない場合、今回のケースのように相続人が配偶者と子供である場合には、法定相続分により配偶者の相続分が2分の1、残りの2分の1が子どもの相続分とされています。

(民法900条1号本文) 今回の家族の場合は、2男1女の3人の子供がおり、子供の相続分は原則として平等であるため、各子供の相続分は2分の1×3で、6分の1になります。

つまり、母・花子は父の財産の2分の1を、長男・一郎と次男・二郎、長女の和子はそれぞれ6分の1を相続できることになります。
しかし、次男・二郎は平成13年にすでに死亡しており、被相続人の父・太郎より先に亡くなっています。

そのため、次男の子供(父から見れば孫ですね)が次男に代わって相続することになります。

これを代襲相続(民法887条第2項)と言います。

この時の次男・二郎の子供たかしとたかこの相続分は、二郎の受けるべきであったものに限られますので(民法901条第1項)、それぞれ二郎の相続分である6分の1を2分の1とした、12分の1になります。

原則として、上記相続分の割合で遺産の分割がなされるのでプラスの遺産総額が7500万円なので、妻花子は3750万円、子の一郎と和子は1250万円、孫のたかしとたかこは62 5万円相当の相続がなされます。
また、負債についても同様の割合で相続されます。
 
遺産分割協議

前頁のように民法で法定相続割合の規定が定められているが、相続人の間で協議し、どのような割合で分割するかを決められます。またその遺産分割協議の時期については特に制限はありません。
ただし相続税の申告は10ヶ月以内、順確定申告は4ヶ月ですのでご注意下さい。

しかし、時間が経過するほど遺産が散逸したり、遺産の管理費用がかかったりするなどの問題が生じる可能性があります。

また、相続人にさらに相続が生じたり、当事者が孫の子までになったりして協議が整いにくくなることもあります。

したがって、紛争を未然に防止し、権利関係を早期に安定させる意味からも、相続開始後なるべく早い時期に遺産分割協議を行うべきであると思われます。

遺産分割協議においては、相続人各自が取得する実際の相続分と前述した法定相続分とが一致しなくとも有効です。尚、負債については第三者的に主張できるかは別問題ですのでご注意下さい。

遺産分割は相続人の間での協議によりますので、相続人各自が自由に意思決定できます。

例えば、子供の一人が形見分け程度でいいという意思を持っているのなら、その意思は尊重されるべきであり、各相続人の間で協議が整えば、法定相続分と異なる割合での遺産分割協議が有効となります。
遺産分割協議が整った場合には、遺産分割協議書を作成しておきましょう。

遺産分割協議書には特別な方式というものはありませんが、後日の紛争を避けるためにも、相続人全員の署名、押印しておくべきです。遺産分割協議書の作成については専門家にご相談すれば安心です。

なお、今回の太郎さん家族の件においては、遺産として不動産がありますので、相続登記をするためには遺産分割協議書が是非とも必要になります。

また、相続人の間で協議が整わない時は、各相続人は家庭裁判所に遺産分割の調停、審判の申し立てをすることができます。(民法907条2項)。

調停手続きは、最高裁判所により任命された民間人の家事調停委員(2名以上)と家事審判官(裁判官1名)により構成された調停委員会が各相続人の間に立って、各当事者の譲歩を前提にして話し合いを行い、遺産分割の合意を目指そうとするものです。
第三者が話し合いの仲立ちをすることにより、各相続人だけで話し合いを行うより、より合意に達しやすいと言えるでしょう。
そこで遺産分割の合意ができると、調停調書が作成されます。

この記載は確定判決、確定審判と同一の効力がありますので(家事審判法21条)これによって不動産の相続登記や強制執行が可能となります。

家事審判手続きは、調停委員が間に入り相互の譲歩により話し合いで解決できないときに、家事審判官(裁判官)が、後見的な立場から遺産の種類、性質、各相続人の年齢、職業、心身の状況及び生活の状況、その他の一切の事情を考慮し、妥当な遺産分割の判断をなすもので、一種の裁判です。

この審判に不服がある場合には高等裁判所に抗告による不服申し立てが可能です。

今回の太郎さん家族の件では、遺産である不動産に母親が居住していますので、母親が相続することになる可能性が高いと言えましょう。

なお、この審判では原則として法定相続分に従った分割がなされますので、特別な事情がない限り、相続人の一人だけが遺産を多く取得することはありません。

不動産の評価について

遺産の評価については、預金等であれば問題になりにくいのですが、不動産などではその評価額でもめることがあります。

例えば、今回の太郎さんの家は土地の相続税の路線価から算定した価額が2000万円(50坪)、建物の固定資産税の評価額を1000万円として遺産相続分を算出してきました。

また、土地建物とも、太郎さん本人が所有者であり、妻と居住していることをもとにしています。
しかし、実際には不動産にはさまざまな状況が伴うことが多々あります。

例えば、土地が鉄道から3mの距離にあり、騒音が特にひどかったりする場合、この地域で鉄道の騒音がそれほどひどくない土地も路線価が同じであれば、この路線価は鉄道の騒音を考慮していないことが考えられます。

その場合には、所轄の税務署に行って事情を説明し、協議してください。

それでも納得できない場合は、不動産鑑定評価書を税務署に提出すると理解してもらえる場合もあります。

例えばこのようなケースでは土地の相続税の評価額2000万円が、1800万円になる可能性もあるということです。

また、土地は一つとして同じものがありませんので、相続税の評価にあたっては、その土地の個性率を算定するために諸々の補正率表というものがあります

例えば、奥行価格補正率表・側方路線影響加算率表・地積区分表・不整形地補正率表・がけ地補正率表などがあり、相続の対象となる個々の土地の価額を算定できるようになっています。

 

路線価

実はこの路線価は不動産鑑定士が、毎年税務署の依頼を受けて1月1日時点の価格付けをしてます。

路線価は全ての道路についているものではなく、市街化区域を中心に一部市街化調整区域や非線引都市計画区域にもあり、インターネットで調べることができます。

単位は千円/㎡で、地価公示ベース価格の8割が路線価になります。

すなわち、その路線に標準地があったとすればいくらになるかを考えて、その価格付けをまずしてから、その価格の8割を路線価とするわけです。

ちなみに、固定資産税の評価額は、原則として地価公示ベース価格の7割となっています。
また、倍率方式になっている地域が多いのですが、これは固定資産税の評価額がベースになります。

何倍になるのかは、評価倍率表がありますので管轄税務署に問い合わせてください

一般の遺産分割において路線価と実勢価額の間に極端な差がある場合があるので第三者の公正な評価として不動産鑑定評価書を作成することをおすすめいたします。

* 不動産鑑定士は土地・建物の完全所有権の評価のほか、区分所有権(マンション)の評価や借地権・底地の評価、新規賃料・継続賃料の地代・家賃の評価などを行っています。

最近は、不動産投資家のために5年とか10年間の賃貸を想定し、その後売却することを想定した収益還元法の一手法としてディスカウント・キャッシュ・フロー法による算定が注目されています。


遺産相続は、さまざまな状況や条件により各専門分野の知識が必要となります。
我々士業ドットコムでは、弁護士・司法書士・社会保険労務士・税理士・公認会計士・不動産鑑定士で構成されており様々な問題に多角的な手段をもって解決にあたっています。

突然の父の死! 
気になるあなたの遺産相続額は?

親族の死・・・
悲しいことですがそれは突然訪れます。
悲しみにくれる中不謹慎かもしれませんが、気になるのはやっぱり遺産の相続でしょうか?
このコラムでは、ある家族をモデルにした遺産の相続をできるだけ分かりやすくお話しています。
登場人物の一人をあなたに置き換えてお読み下さい。・・・・・
父の財産は?
今回死亡した父・太郎には次のような財産がありました。
一、 不動産(妻と居住中)
土地 2,000万円
建物 1,000万円
二、 負債  3,000万円
三、 預金  4,500万円
それでは、各家族の遺産相続額はどれくらいになるのか計算してみましょう。
法定相続
現行の相続法では、特に遺言がない場合、今回のケースのように相続人が配偶者と子供である場合には、法定相続分により配偶者の相続分が2分の1、残りの2分の1が子どもの相続分とされています。
(民法900条1号本文) 今回の家族の場合は、2男1女の3人の子供がおり、子供の相続分は原則として平等であるため、各子供の相続分は2分の1×3で、6分の1になります。
つまり、母・花子は父の財産の2分の1を、長男・一郎と次男・二郎、長女の和子はそれぞれ6分の1を相続できることになります。
しかし、次男・二郎は平成13年にすでに死亡しており、被相続人の父・太郎より先に亡くなっています。
そのため、次男の子供(父から見れば孫ですね)が次男に代わって相続することになります。
これを代襲相続(民法887条第2項)と言います。
この時の次男・二郎の子供たかしとたかこの相続分は、二郎の受けるべきであったものに限られますので(民法901条第1項)、それぞれ二郎の相続分である6分の1を2分の1とした、12分の1になります。
原則として、上記相続分の割合で遺産の分割がなされるのでプラスの遺産総額が7500万円なので、妻花子は3750万円、子の一郎と和子は1250万円、孫のたかしとたかこは62 5万円相当の相続がなされます。
また、負債についても同様の割合で相続されます。
遺産分割協議
前頁のように民法で法定相続割合の規定が定められているが、相続人の間で協議し、どのような割合で分割するかを決められます。またその遺産分割協議の時期については特に制限はありません。
ただし相続税の申告は10ヶ月以内、順確定申告は4ヶ月ですのでご注意下さい。
しかし、時間が経過するほど遺産が散逸したり、遺産の管理費用がかかったりするなどの問題が生じる可能性があります。
また、相続人にさらに相続が生じたり、当事者が孫の子までになったりして協議が整いにくくなることもあります。
したがって、紛争を未然に防止し、権利関係を早期に安定させる意味からも、相続開始後なるべく早い時期に遺産分割協議を行うべきであると思われます。
遺産分割協議においては、相続人各自が取得する実際の相続分と前述した法定相続分とが一致しなくとも有効です。尚、負債については第三者的に主張できるかは別問題ですのでご注意下さい。
遺産分割は相続人の間での協議によりますので、相続人各自が自由に意思決定できます。
例えば、子供の一人が形見分け程度でいいという意思を持っているのなら、その意思は尊重されるべきであり、各相続人の間で協議が整えば、法定相続分と異なる割合での遺産分割協議が有効となります。
遺産分割協議が整った場合には、遺産分割協議書を作成しておきましょう。
遺産分割協議書には特別な方式というものはありませんが、後日の紛争を避けるためにも、相続人全員の署名、押印しておくべきです。遺産分割協議書の作成については専門家にご相談すれば安心です。
なお、今回の太郎さん家族の件においては、遺産として不動産がありますので、相続登記をするためには遺産分割協議書が是非とも必要になります。
また、相続人の間で協議が整わない時は、各相続人は家庭裁判所に遺産分割の調停、審判の申し立てをすることができます。(民法907条2項)。
調停手続きは、最高裁判所により任命された民間人の家事調停委員(2名以上)と家事審判官(裁判官1名)により構成された調停委員会が各相続人の間に立って、各当事者の譲歩を前提にして話し合いを行い、遺産分割の合意を目指そうとするものです。
第三者が話し合いの仲立ちをすることにより、各相続人だけで話し合いを行うより、より合意に達しやすいと言えるでしょう。
そこで遺産分割の合意ができると、調停調書が作成されます。
この記載は確定判決、確定審判と同一の効力がありますので(家事審判法21条)これによって不動産の相続登記や強制執行が可能となります。
家事審判手続きは、調停委員が間に入り相互の譲歩により話し合いで解決できないときに、家事審判官(裁判官)が、後見的な立場から遺産の種類、性質、各相続人の年齢、職業、心身の状況及び生活の状況、その他の一切の事情を考慮し、妥当な遺産分割の判断をなすもので、一種の裁判です。
この審判に不服がある場合には高等裁判所に抗告による不服申し立てが可能です。
今回の太郎さん家族の件では、遺産である不動産に母親が居住していますので、母親が相続することになる可能性が高いと言えましょう。
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